薬剤師の在宅訪問とは「薬剤師が患者様の自宅を訪れて、薬の管理や服薬指導を行うサービス」のことです。高齢者や体が不自由で薬局まで行くのが難しい方が、安心してお薬を使用するためのサポートです。メリットは以下の通りです。
① 薬剤師が服薬状況を確認し、飲み忘れや重複を防ぐので、安心して正しく薬が飲めます。
② 体調や副作用のチェックを行い、問題があれば医師とすぐ連携を取り早期解決に努めます。
③ 複数の薬がある場合でも、薬剤師が整理し、カレンダーやケースに分け、ご家族の負担も軽減されます。
④ 薬のことを気軽に相談できる存在になります。
⑤ 薬剤師が自宅まで訪問するので、外出が難しい方でも安心です。
⑥ 医師や看護師と連携し、チームで患者様の健康を支える体制が整います。

「かかりつけ薬剤師」とは、薬による治療のこと、健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持ち、患者様や生活者のニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師のことをいいます。具体的には、薬を安全・安心に使用していただくため、処方薬や市販薬など、患者様が使用している薬の情報を一カ所でまとめて把握し、薬の重複や飲み合わせのほか、薬が効いているか、副作用がないかなどを継続的に確認します。また、休日や夜間など薬局の開局時間外も、電話で薬の使い方や副作用等、お薬に関する相談に応じています。更に、処方内容を確認し、必要に応じて医師への問い合わせや提案を行います。患者様に薬を渡した後も患者様の状態を見守り、その様子を処方医にフィードバックしたり、残薬の確認を行います。お薬だけでなく、広く健康に関する相談にも応じます。

日本では急速に高齢化が進行し、病院よりも「住み慣れた地域や自宅で療養したい」というニーズが増えました。在宅医療の推進により、医師・看護師・ケアマネジャー・薬剤師などが連携して支える「地域包括ケアシステム」が重要視されるようになりました。そのような中で薬局は病院、診療所、訪問看護ステーション、ケアマネジャーなどと密接に連携を取り、退院した患者様が安心して在宅療養できるよう、薬の情報や服薬管理をサポートします。また、薬剤師が患者様の自宅や施設に訪問して、薬の説明や服薬指導、薬のセットなどを行います。このように一定の条件を満たした薬局だけが『地域連携薬局』として厚生労働省により認定されます。

電子処方せんとは、従来紙で発行されていた処方せんを電子データとして取り扱うものです。患者様が医療機関で電子処方せんを利用することを選び、さらに医師・歯科医師・薬剤師が患者様の服薬情報を確認することに同意することで、異なる医療機関や薬局間でもお薬の情報を共有できるようになります。これにより、医師や薬剤師は、今回処方・調剤する薬が、すでに服用している薬と相互作用がないかどうかを確認できるため、より安全で適切な医療を提供することが可能になります。
その結果、患者様はこれまで以上に安心してお薬を受け取ることができるようになります。